お化けや霊の話をまじめに語るのは、ただの反知性主義なのか?
知識人はお化けなんて信じない。そう思う人にとって、あの小林秀雄が霊的な現象について書いた文章を読むと驚愕するだろう。小林は亡くなった母親のイメージに、行く手に見えた蛍の光を重ねた。当たり前だったことを当たり前に正直に書けばそうなると小林は書いた。現象そのものを具体的に見ることを言葉や数値化が妨げると、『小林秀雄の警告 近代はなぜ暴走したのか?』の著者・適菜収氏は言う。その結果、私たちはどんな間違いを犯しているのか? 本の抜粋をお届けしよう。