度重なる失政の報い、インド経済が迷走 スタグフレーションに現実味も
インド経済が迷走している。わずか2年前には8%の成長率で、世界成長の主な牽引(けんいん)役としての道を歩んでいるとの楽観的見方が高まっていた。しかし、2019年度(19年4月~20年3月)の国内総生産(GDP)成長率は10年余りで最も緩やかな水準へと失速。食品価格の高騰でインフレ率はインド準備銀行(中央銀行)の目標を上回る水準に急騰し、今やスタグフレーション(景気停滞下の物価高)になりかねない状況にある。加えて、市民権法改正への抗議をめぐる社会不安が新たな問題に浮上している。