雪と酷寒の中のサッカー
カラーボールが足りない
どのチームよりもラッキーだったのは、ロシアでもっとも人気のチーム「スパルタク・モスクワ」だろう。マイナス15度まで気温が下がったシベリア、トムスクでのアウェイの試合となった。古い陸上競技場には暖房もなく、氷ついた芝と嫌がらせのように襲いかかる雪に地元のスペシャリストも対応することができず、両チームは雪が積もり、ラインすらよく見えないピッチでプレーすることとなった。
「スパルタク」、そして地元チーム「トム」の選手たちがなかなかのスピードを見せ、身体も暖まってきたころには、観客席に集まった数千人の勇敢なサポーターたちは自分たちで楽しまなければならなくなった。試合は白いボールでプレーが開始されたのだが、雪に覆われたスタジアム「トゥルード」ではボールの位置を判断するのが難しくなってきたからだ。通常こういうときに使われるカラーボール(通常オレンジ色か赤色)が見つかったのはそれから数分後のことだった。
ロシアの有名なコメンテーターのワシリー・ウトキン氏は「トムスクの天候は厳しい。酷寒に対応できるボールが赤く熟すのは普通9月頃で、それも熟している期間はそう長くはないし、毎年というわけではないのでね」と皮肉たっぷりに苦笑した。
外国人選手は雪など怖くない
しかし、シベリアの冬はその日も「スパルタク」の勝利を妨げることはできなかった。「スパルタク」のマッシモ・カレーラ監督は薄手のコートを羽織り、帽子もかぶらずにテクニカルエリア内を行ったり来たりし、酷寒には気づかなかったように見えた。そう、特別なことなんてなにもない。「スパルタク」の宿敵である「ツェスカ」がプレーするモスクワでも、サッカーはまさに同じ過酷な条件の下で行われていたからだ。
「ツェスカ」のアレクセイ・ベレズツキーと「アムカル・ペルミ」のダルコ・ボドゥル=ウラジーミル・フェドレンコ/ロシア通信
「スパルタク」の広報部は戦意高揚のため、「雪も怖くない!」というタイトルの動画をアップした。ちょうど、イタリア、ブラジル、カーボヴェルデといった国出身で、暖かい天候を好む選手たちを擁する同チームは12月初旬まで雪の中でプレーすることになっていた。
雪かき機の代わりにシャベルを手にするファン
地元の「ルッチ・エネルギー」とクラスノダールの「クバン」との2部リーグ戦が行われた太平洋沿岸の港町ウラジオストクでも雪対策に追われた。夜中に降った雪がスタジアムに積もり、試合開始が数時間遅れることとなった。