ナバリヌイ氏に再び有罪判決
その後執行猶予を与えられ、欧州人権裁判所は昨年、ロシアの裁判所がナバリヌイ氏(および共同被告人である「ヴャトカ林業会社」の元最高責任者ピョートル・オフツェロフ氏)の公正審理権を侵害したとの判決を下した。ロシア最高裁判所は昨年11月16日、ナバリヌイ氏およびオフツェロフ氏の裁判のやりなおしを命じた。
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/p 新たな裁判は前回の裁判とあまり変わらない。裁判所も同じ、検察官も同じ、双方の主張も同じである。検察官によれば、2009年、ナバリヌイ氏(当時はキーロフ州知事補佐だった)とオフツェロフ氏は、国営企業「キーロフレス」から木材を意図的に低価格で購入し、市場価格で販売した。これによってキーロフレスに損害を与えた。2013年も今年も、裁判所は被害額を1600万ルーブル(約3040万円)と試算している。/p
p "> 弁護側は、ナバリヌイ氏もオフツェロフ氏も木材を正当に購入、販売しており、その行動に犯罪はないと考えている。ナバリヌイ氏は何度も、この裁判を政治的だと考えていると言ってきた。ロシア政府が2018年の大統領選への自身の出馬を阻止しようとしているという。大統領選出馬の意向を表明したのは昨年12月13日。
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p "> ナバリヌイ氏は裁判前の3日、裁判を「もう一度丁寧に警告してあげよう。政治活動に参加してはいけないのだよ」というロシア政府からの「メッセージ」ととらえていると言っていた。「ありがとう、だがそうはならない」とナバリヌイ氏は話し、何があっても選挙運動を続ける意思を示した。
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p "> 法的には2018年の大統領選の出馬の可能性は事実上閉ざされたが(上訴が通らなければ)、ナバリヌイ氏の仲間は、法律ではなく、政府が出馬させたいかどうかにかかっていると考えている。支援者レオニード・ヴォルコフ氏は、交流サイト(SNS)「フェイスブック」の自身のページで、法的な回避策を示している。欧州人権裁判所は今回の判決にも異議を唱えることができ、ロシアの憲法裁判所または下院(国家会議)は有罪判決を受けたナバリヌイ氏が出馬できるように法律を変えることができるという。「我々の政治運動を通じてこのような解決策を実現させなければ」とヴォルコフ氏。
p "> 一方で、ナバリヌイ氏の出馬はクレムリンにとって大きなリスクであると、政治学者である「政治工学センター」のアレクセイ・マカルキン副所長は話す。「ナバリヌイ氏が出馬すれば、支持する人と反対する人の両方が投票に行くから投票率があがるが、演説の場に立ち、国営テレビに出演するようになれば、人気が上昇する大きなリスクがある」とマカルキン副所長。ナバリヌイ氏は、プーチン氏に勝てそうにないが、大統領選に参加することで追加的な政治資金を得ることができ、それは政府には必要のないことだという。